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(書籍) 少女歌劇の光芒 [宝塚歌劇]

少女歌劇の光芒―ひとときの夢の跡

少女歌劇の光芒―ひとときの夢の跡

  • 作者: 倉橋 滋樹, 辻 則彦
  • 出版社/メーカー: 青弓社
  • 発売日: 2005/08
  • メディア: 単行本

*****

本屋さんで大変興味深い本を見つけたので、早速読んでみました。
歌劇ファンとしては、「ダ・ヴィンチ・コード」並みの驚愕の真実が明らかにされています(笑)。

「少女歌劇」と言えば、まず思いつくのがやはり、
現在も絶大な人気を誇る宝塚歌劇団の前身、宝塚少女歌劇。
少し詳しい方なら、東京の松竹歌劇団(SKD)、
そしてOSK日本歌劇団の名前も耳にした事があるでしょう。
(現在、SKDは解散し、OSK日本歌劇団は市民劇団「New!OSK」として活動中です)

しかし、大正から昭和初期にかけて日本全国には、
なんと20を越える少女歌劇が存在していたらしいのです。
それも、北は北海道から南は大分・別府まで、かなりの広い範囲で
多くの少女歌劇がバラエティ豊かに活動を展開していたのです。

本書は、その中から14の少女歌劇を紹介することで、
これまで光をあてられることのなかった少女歌劇の歴史を追い、
秘められた地方の文化史をひもとく試みをしています。

共同執筆なのですが、その内の1人は元・宝塚市役所職員さんだそうな。
身近に歌劇を感じる場所でお勤めされていたからこその視点でしょうね。

各地の少女歌劇については本当に資料が少なく、その町の史料などを調査しても
ほんの数行で紹介されている事がほとんどです。後は、幸運にもそこで実際に団員として
舞台に立った経験のある女性や関係者を探しだし、聞き書きするのが限界だったと思います。

なので、それぞれの少女歌劇についての記述は非常に少ないのですが、
紹介されている少女歌劇の数は20を越えます。逆に、よくこれだけの史実を
掘り出してきたなぁ、と感服させられます。

***

地方で創設された少女歌劇の共通点は、「宝塚少女歌劇(当時)に刺激を受けた」事。

全ての少女歌劇は、宝塚少女歌劇(以下、宝塚)の設立の後を追うようにして
初公演を行っています。また宝塚の関係者に振付やレッスンを依頼しており、
このジャンルの先駆者でもあった宝塚を非常に意識していたことがうかがえます。

そしてもう一つは、大衆が集まる娯楽施設や百貨店などに附設されていた点。

ご存知のように、宝塚は「宝塚温泉」(現・宝塚ガーデンフィールズ)での
企画イベントのひとつとして創設されました。

本書で紹介されている少女歌劇で見てみると、このようになります。
皆さんのお馴染みの町にも、少女歌劇はあったのでしょうか?

■ 大衆遊興施設(娯楽施設)に附設 ■
甲陽園少女歌劇 (兵庫県西宮市)、粟崎遊園少女歌劇 (石川県金沢市)、
花月園少女歌劇 (神奈川県横浜市)、鶴見園女優歌劇 (大分県別府市)、
大浜少女歌劇 (大阪府堺市)、琵琶少女歌劇 (大阪市)、浪速少女歌劇 (大阪市)、
塩江温泉少女歌劇 (香川県)   など

■ 百貨店、料亭、キャバレーなどに附設 ■
だるま屋少女歌劇部 (福井)、いく代舞踊部 (北海道)、
羽田別荘少女歌劇 (広島)、青黛座 (福岡)、赤玉少女歌劇 (大阪)

例外は新潟県内で発足した「銀の星少女歌劇」。これは町興しの企画として
立ち上げられました。今でも地方に残る「子供歌舞伎」の様な印象を受けます。

こうしてみると、「少女歌劇」は当時、宝塚だけを指したブランドネームではなく、
「娯楽」や「企画イベント」の一種の業態として捉えられていたことが分かります。
そして、宝塚も例外ではなく、少女歌劇は土地開発、もしくは顧客拡大の為に
創設されたことも判明してきます。

少女歌劇の歴史は、土地開発や顧客拡大など、地方経済の歴史でもあったのですね。

***

本書は、まだまだ調査不足の点や、記述が曖昧な点も見受けられますが、
地方の開発や文化を盛り上げる役割の一端を担いながらも、今ではその史実すら
忘れ去られようとしている各地の少女歌劇の存在に光をあてたことは
貴重な事ですし、意義深い事だと思います。

宝塚歌劇に興味のある方はもちろん、地方史のひとつとしても面白く読めます。


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コメント 6

ラブ

へぇ〜、へぇ〜、へぇ〜。
少女歌劇って、そんなにいっぱいあったのですか…。
驚愕の真実だ(笑)。
皆、きれいなもの、見たいのですね。
by ラブ (2006-04-06 09:40) 

★とろりん★

ラブさま、いつもnice!とコメントありがとうございます☆
この話題、驚愕とともにトリビアでもありましたね(笑)。
当時の写真なども思った以上に掲載されているのですが、
やはり乙女だけの華やかなレビュー、というのが
人の心をつかんだのでしょうね。
by ★とろりん★ (2006-04-07 11:03) 

butler

とろりんさん、はじめまして!
宝塚歌劇と同じく、温泉地や遊園地の付属アトラクションから発生した少女歌劇が主流だったのですね。
同じ著者(辻則彦)の「男たちの宝塚~夢を追った研究生の半世紀~」も、宝塚歌劇史90年の過程で生まれた、アダ花のようで興味深いですよ。
by butler (2006-04-13 12:40) 

★とろりん★

butlerさん、はじめまして! コメントありがとうございます。
宝塚歌劇の歴史の中で、男性団員を活躍させる動きがあったのは
知っていましたが、 本として出版されていたとは知りませんでした。
今度読んでみます!
トラックバックありがとうございます!
by ★とろりん★ (2006-04-13 12:49) 

辻則彦

このブログを発見して、うれしくて投稿しました。「男たちの宝塚」と「少女歌劇の光芒」(共著)を書いた者です。 
題名のために、書店では「宝塚コーナー」に置かれていますが、いずれもエンタテインメントを題材にしたノンフィクションと自負しています。そlのあたりを的確に読みとっていただきありがとうございます。
by 辻則彦 (2006-04-21 10:09) 

★とろりん★

辻様、はじめまして。コメントをありがとうございます☆
まさかご本人にお越しいただけるとは思っておりませんでしたので、
すごく嬉しいです!!ちょっと舞上がってきていいですか(笑)
……………☆☆!!☆☆♪♪
はいっ、舞い上がってきましたっっ(笑)
「男たちの宝塚」も是非拝見させていただきます。
その時はまたブログ記事としてアップさせていただきますね。
またお越し下さいませ。
by ★とろりん★ (2006-04-21 11:17) 

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男たちの宝塚〜夢を追った研究生の半世紀〜(ようこそ劇場へ! Welcome to the Theatre! 2006-04-13 12:42)

昨年90周年を迎えた「清く正しく美しく」がモットーの「乙女の園」宝塚歌劇団に、終戦後のある時期(1945〜1954)に男子研究生が存在したことは殆ど知られていない。 「男生ちゃん」(男子生徒の略称)20数名の半世紀を追跡したルポタージュガ本書である。実現はしなかったが、小林一三翁が目指し…[続く]

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